究極の役者

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俳優の五十嵐剛典は常人の理解を超えた演技で見る者を魅了する。
演じた役がピアニストなら吹替なしで自ら演奏し、それが画家なら二科展で入選するほどの作品を実際に描いてみせた。
手品師、料理人、歌手といった役も、恐ろしいまでにストイックに必要なスキルを身につけて演じた。
新作映画の会見の席で司会者の、今回はどんな役作りをの問いに彼は
「さすがに今回の役は、身につけようが無いので想像でやるしかないですね」と笑顔で応答し会場にも笑いが起きた。
映画が封切られるとあまりにリアルな演技に大ヒットするも、実際は役作りをしたんじゃないかとの疑念が巻き起こった。
しかし実際に役作りしていたならば上映出来るはずもないパラドクスを抱えているため、その矛盾が更なる話題を呼んだ。
そしてやはり彼は究極の役者だと絶賛され、興行収入が歴代一位の記録を樹立した頃。

とある山中で身元不明の遺体が発見されるのだが…
ホラー
公開:26/01/15 15:18
更新:26/01/15 15:45

吉田図工( 日本 )

まずは自分が楽しむこと。

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