壮大な夢申告所

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その町には、
年に一度だけ
「壮大な夢申告所」が開く。

机は大きく、
紙は一枚。
書くのは、
できるだけ大きな夢。

係の人は言う。
「小さい夢は、
 こちらで拡張します」

多くの人は、
少し考えてから
地球平和とか、
世界中の幸せとかを書く。

係の人は満足そうに
うなずく。
「いいですね。
 扱いやすいです」

私は、
何も書けなかった。

夢を大きくすると、
自分が
どこに立っているのか
分からなくなったからだ。

空欄の紙を出すと、
係の人は困らなかった。
小さく印を付ける。

《調整中》

帰り際、
掲示を見た。
「夢は、
 大きくするほど
 本人から離れます」

町を出るとき、
空はやけに広かった。
その下で、
自分の歩幅だけが
やけに目立っていた。
SF
公開:26/01/15 06:16

問い屋

その違和感を、
まだ持ったままの人へ。
問いの続きを、ここにまとめています。

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