落陽

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その音は哀愁を呼び寄せる。
 今も空に響く、十七時を知らせるこのチャイムのことだ。

 それが空に溶けるまでの数秒間、私は過去に飛べる。
 日差しの下、ひまわりが咲いたように笑う君。

 もう二十年が経つというのに、いまだにあの情景が脳裏をよぎる。

 川のせせらぎに蝉の声。白い肌を消し去る太陽と、大きな麦わら帽子。

 永遠に続くとさえ思えた夏があった。

 私たち二人にできない事なんてない。そう根拠もなく信じていたあの夏。

 君が消えたあの夏を。

 私は今も忘れないでいる。
その他
公開:26/01/14 13:18
更新:26/01/15 08:15

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