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ポストに懐かしい年賀状が入っていた。差出人は、昔飼っていた猫や犬たちの名だった。
お久しぶりです、お元気ですか、丸い字が霧のように浮かぶ。ありえないと笑いながら、切手の消印を見る。
見慣れぬ日付、来ぬはずの朝。耳の奥で首輪の鈴が鳴り、畳に小さな爪音が走る。振り向けば影は窓を越え、白い息に形を変えて私の肩へと座った。
インクは雨の匂いを放ち文字の端から水面の輪が広がる。ただいまと書かれている。
窓の外、雪の空に小さな足跡が昇り、見えない尾が風を梳く。年の境目は封筒の折り目のようにピシッと音を立て、向こう側から温かな体温が滲んだ。
読まれるために書くのではなく、帰るために届く手紙。
その最後の一行は空白のまま光っていた。
そこで私は息を整へ、昔を思い出しながら一つ・二つ・三つと数えて、止めた時ワンワン・ニャーンと聞こえた。
お久しぶりです、お元気ですか、丸い字が霧のように浮かぶ。ありえないと笑いながら、切手の消印を見る。
見慣れぬ日付、来ぬはずの朝。耳の奥で首輪の鈴が鳴り、畳に小さな爪音が走る。振り向けば影は窓を越え、白い息に形を変えて私の肩へと座った。
インクは雨の匂いを放ち文字の端から水面の輪が広がる。ただいまと書かれている。
窓の外、雪の空に小さな足跡が昇り、見えない尾が風を梳く。年の境目は封筒の折り目のようにピシッと音を立て、向こう側から温かな体温が滲んだ。
読まれるために書くのではなく、帰るために届く手紙。
その最後の一行は空白のまま光っていた。
そこで私は息を整へ、昔を思い出しながら一つ・二つ・三つと数えて、止めた時ワンワン・ニャーンと聞こえた。
ファンタジー
公開:26/01/04 09:28
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gonsuke