でんでん電柱

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 それは突然生えてきた。テケてんと音を奏でながら。
 でんでん太鼓の付いた電柱。風の力で玉が揺れ、太鼓が鳴ると発電する仕組みだ。
 これの登場でエネルギー問題は解決し、小気味いい音でいつでもお祭り気分だと喜んだ。
 喜んだのも束の間。毎日はうるさい。いくら電気に困らないといっても限度がある。
 そんな文句が電柱に届いたのか、一斉に移動を始め、富士山に結集した。
 そして、電柱が合体して一本になり、でんでん太鼓から雷様の持つ雷鼓に進化した。
 ひとたび音が鳴り始めれば、普通の生活なら何不自由なく暮らせる電力を生み出した。
 しかし、静けさは戻ることはなく、富士山は年がら年中、野外フェスのように騒がしい。
ファンタジー
公開:26/01/05 22:12

猫目ちゅん

のんびり屋さんです。よろしくお願いします。日常を書くのが好きです。ファンタジーも好きです。思いついたものならなんでも好きかもしれません。たまにタイトル裏のイラストも描きます。

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