美少女になる箱

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約1メートル四方の、黒い箱が街に現れた。
調査官たちが派遣された。
「あっ」
中に入った調査官が箱を閉じてしまった。すぐに開けたが……。
「あれ?」
なんと調査官の制服を着た、可憐な美少女が出てきた。
実験すると、箱に入った者は皆こうなった。
すぐ世間に知れ渡り、一般人が利用するようになった。
最初は、美容の一環として。老婆やマダムが美少女に大変身する様子は、若い女性にも衝撃を与えた。
「生まれ変わった気分です」
「箱に入ってから周りの人が優しい」
それを聞き、男性も次々に入り始めた。
その頃、舌足らずな高い声で誰かが言った。
「人に不快な容姿を見せるな。外見ハラスメントだ」
「箱未経験は頭がおかしい」
数十年後、外にいるのは美少女だけだった。
街は、肉体労働の求人票でいっぱいだった。
破裂した水道管や、崩れかけた建物は、放置されている。
新生児を抱えた美少女たちが、今日も箱に並んでいる。
SF
公開:25/12/27 17:15

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