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「発見しました!」
倒壊した一軒家から子どもが人型の救命ロボットに抱きかかえられている。
テレビでその現場がライブ中継されていた。
ニュースを病院で観ていたA子の部屋にナースがやってきた。
「リハビリの時間ですよ」
「A子ちゃん、なにを観てるの?」
ベットから起こす準備をするナースにA子が言った。
「あのロボットは、自動で動いてるわけじゃないの」
「ちゃんと人間が動かしてるのよ」
「私ね、大きくなったらあのロボットを操縦するの」
「たくさんの人を助けたいの」
ナースは、微笑みながらA子の手を取り、2人で部屋を出た。
3ヶ月後、医師がカルテを眺めながら言った。
「すごい回復力だ!」
「これなら退院できますね」
A子は、母親に荷物を預けて病院を出た。
おぼつかない手さばきで前だけを向き、ひたすらに車椅子を走らせる。
手術で失った両足を眺めることもなく。
将来(あした)だけを見つめて。
倒壊した一軒家から子どもが人型の救命ロボットに抱きかかえられている。
テレビでその現場がライブ中継されていた。
ニュースを病院で観ていたA子の部屋にナースがやってきた。
「リハビリの時間ですよ」
「A子ちゃん、なにを観てるの?」
ベットから起こす準備をするナースにA子が言った。
「あのロボットは、自動で動いてるわけじゃないの」
「ちゃんと人間が動かしてるのよ」
「私ね、大きくなったらあのロボットを操縦するの」
「たくさんの人を助けたいの」
ナースは、微笑みながらA子の手を取り、2人で部屋を出た。
3ヶ月後、医師がカルテを眺めながら言った。
「すごい回復力だ!」
「これなら退院できますね」
A子は、母親に荷物を預けて病院を出た。
おぼつかない手さばきで前だけを向き、ひたすらに車椅子を走らせる。
手術で失った両足を眺めることもなく。
将来(あした)だけを見つめて。
SF
公開:25/12/24 20:14
アメ玉です。
「サッと読めておもしろい物語」を書くことが目標です!
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