異次元ポケット

約１０年ほど前、当時大人気だったメダルの玩具を息子に買ってあげた。
リビングでメダルを眺めていた息子。５分後、そのメダルを失くしたと言い出した。
５分間、息子はずっとリビングにいた。リビングを隈なく探した。しかし、メダルは見つからなかった。
そのメダルが５年前、大掃除の最中に見つかった。
まさかリビングにたまたま発生した異次元ポケットに落ちていたなんて…そりゃ見つからないわけだ…
メダルを拾い上げる。さすが異次元ポケット。５年経ったというのに新品のままだ。
異次元ポケットに目をやる。いつ落したのか分からないが、万札が漂っていたのですぐに拾い上げた。
しかしその万札は玩具。残念にも程がある。
その話を何故、今しているかと言うと今日、息子が１万円札をなくしたと大騒ぎしていたからだ。
失くした１万円札は渋沢栄一が描かれたもの。
５年前に私が異次元ポケットから拾い上げた万札とみて間違いないだろう。