ネジ穴
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「珍しいな、君がバイクいじりなんて」
ガレージで作業しているとき、友人のTが訪ねてきた。
「久々に乗りたくなってね。一から分解して整備してたんだよ」
「へぇ。しかしまたどうして急にバイクに?」
「昨日、ツーリングをする夢を見たんだ。海沿いの道をひたすら突っ走ってただけなんだけど、妙にその爽快感がたまらなくてね」
「…ところで、君に最近変わったことはないかい?」
ふいにTが訝しげに聞いてきた。
「変わったこと?そんなの特にないよ。…それより、さっきからこの『ネジ』が一本余ってるんだ。どこに取り付けるんだっけなぁ」
なんのネジかTにわかるはずはないが、何の気なしに振ってみると…
「君の首の後ろにある穴のネジじゃないかな?」
「おいおい、Tらしくない冗談だな」
…ふと首の後ろを触ったとき、あるはずのない凹みを指先に感じた。
Tは何も言わなかった。
ガレージで作業しているとき、友人のTが訪ねてきた。
「久々に乗りたくなってね。一から分解して整備してたんだよ」
「へぇ。しかしまたどうして急にバイクに?」
「昨日、ツーリングをする夢を見たんだ。海沿いの道をひたすら突っ走ってただけなんだけど、妙にその爽快感がたまらなくてね」
「…ところで、君に最近変わったことはないかい?」
ふいにTが訝しげに聞いてきた。
「変わったこと?そんなの特にないよ。…それより、さっきからこの『ネジ』が一本余ってるんだ。どこに取り付けるんだっけなぁ」
なんのネジかTにわかるはずはないが、何の気なしに振ってみると…
「君の首の後ろにある穴のネジじゃないかな?」
「おいおい、Tらしくない冗談だな」
…ふと首の後ろを触ったとき、あるはずのない凹みを指先に感じた。
Tは何も言わなかった。
ホラー
公開:25/12/20 01:42
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