冬の街
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冬の街を歩く。イルミネーションで輝いている。ふと、電球と電球の間に、子どもの人魂が隠れているのを見つける。見ると、そこかしこに子どもたちの人魂が隠れている。そこから少し離れた場所で、一人の生きている男の子が、目を閉じて数を数えていた。どうやら、人魂たちとかくれんぼをして遊んでいるようだ。でも、すぐに人魂たちは見つかってしまうだろう。子どもたちの人魂は美しすぎるからだ。俺は彼らを背にして歩き続ける。冬の街は今年も生者と死者で賑わっている。
ファンタジー
公開:25/12/19 13:12
短い読み物を書いています。その他の短編→ https://tomokotomariko.hatenablog.com/
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六井象