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無茶な話だった、誤発注したクリスマスケーキ10個を、残業して25日中に売り切ってほしいなんて。
「前から予定があるって言ってましたよね? 無理ですよ」
「そこをなんとか。お年玉だすよ!」
お年玉どうこうの問題じゃない。おれにはデートの約束があるのだ。
しかし店長はなおも食い下がった。
「できれば廃棄したくないんだ。食品ロスが問題になってるでしょ?」
彼女に一応連絡するが既読にならない。きっともう待ち合わせ場所に向かっているのだ。おれのシフト終了時間まで10分――いけるか!?
「わかりました。店長には恩がありますし、呼び込みして10分で片付けましょう!」
そう答えた時、店内で立ち読みしていた紳士がすべてのケーキをカードで購入した。
「恩に報いる君の心意気が気に入ったよ。メリークリスマス」
後に結婚が決まり、初顔合わせで彼女の父親だったことを知った。今は実の息子のように大切にしてもらっている。
「前から予定があるって言ってましたよね? 無理ですよ」
「そこをなんとか。お年玉だすよ!」
お年玉どうこうの問題じゃない。おれにはデートの約束があるのだ。
しかし店長はなおも食い下がった。
「できれば廃棄したくないんだ。食品ロスが問題になってるでしょ?」
彼女に一応連絡するが既読にならない。きっともう待ち合わせ場所に向かっているのだ。おれのシフト終了時間まで10分――いけるか!?
「わかりました。店長には恩がありますし、呼び込みして10分で片付けましょう!」
そう答えた時、店内で立ち読みしていた紳士がすべてのケーキをカードで購入した。
「恩に報いる君の心意気が気に入ったよ。メリークリスマス」
後に結婚が決まり、初顔合わせで彼女の父親だったことを知った。今は実の息子のように大切にしてもらっている。
その他
公開:25/12/22 11:53
☆やコメントありがとうございます✨
作品のイラストはibisPaintを使っています。
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いちいおと