情け
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気象予報士は、明日が晴れることを確信した。晴れる上に、気温も上がるだろう。気象予報士は、今朝の出勤時に見た、道端の雪だるまのことを思い出した。解けてしまうな。じわじわと死ぬのだ。かわいそうだ。帰り道、気象予報士は、雪だるまのところに立ち寄り、雪だるまを、蹴って破壊した。せめてもの情けだ。気象予報士は力なく笑って、立ち去った。こうしてその街に、春が訪れた。
その他
公開:25/12/22 09:57
短い読み物を書いています。その他の短編→ https://tomokotomariko.hatenablog.com/
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六井象