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朝方住宅街で、道路のアスファルトの割れ目から水が静かに湧き出した。
役所に連絡すると、ほどなく作業車とガードマンがやって来て、警告灯が静かに回り始めた。
作業員たちは慣れた手つきで道路の一部を掘り起こし、土の下に眠る古い水道管を調べている。
これは老朽化ですね。何事かと現場に集まってきたのは町内の老人たちばかりだった。
作業員の一人が冗談めかして言った。この町、喉が渇いてたのかもしれませんね。
今は、住民の多くが年老い、空き家も増え、時間そのものがゆっくりと沈んでいくような場所になっていた。
確かに町はかつては子供達の遊び声や人々の話し声で、たいそう賑やかであったが今は静寂だけが残っている。
夜になっても水は湧き続けた。地下で眠っていた町の記憶が、最後に姿を現したかの様に。
でも翌朝には水は弱まり、町は再び何事もなかったように静かになった。
漏水の原因は、正しく町の老衰であったらしい。
役所に連絡すると、ほどなく作業車とガードマンがやって来て、警告灯が静かに回り始めた。
作業員たちは慣れた手つきで道路の一部を掘り起こし、土の下に眠る古い水道管を調べている。
これは老朽化ですね。何事かと現場に集まってきたのは町内の老人たちばかりだった。
作業員の一人が冗談めかして言った。この町、喉が渇いてたのかもしれませんね。
今は、住民の多くが年老い、空き家も増え、時間そのものがゆっくりと沈んでいくような場所になっていた。
確かに町はかつては子供達の遊び声や人々の話し声で、たいそう賑やかであったが今は静寂だけが残っている。
夜になっても水は湧き続けた。地下で眠っていた町の記憶が、最後に姿を現したかの様に。
でも翌朝には水は弱まり、町は再び何事もなかったように静かになった。
漏水の原因は、正しく町の老衰であったらしい。
ファンタジー
公開:25/12/18 10:30
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gonsuke