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外気温マイナス200℃。間もなく昼になるけれど、デジタル温度計は微動だにしない。試しに窓を開けたら、想像以上につめたい風が吹き込んできて驚いた。あたたかくなる予報は、残念ながら外れてしまったようなのだ。
これじゃ今日の予定が台無しじゃないか――そう思いながら彼女にメールを送る。返事は電話で返ってきた。
「ふたご座流星群、外で一緒に観測する約束でしょう?」
火星に住んでいる彼女はいつもぐらぐら燃えている。僕の故郷は冥王星。平均気温マイナス225℃。ものの見方、考え方――たぶん遺伝子レベルで異なっている。正反対な性格を楽しめたのは最初だけ。最近は喧嘩ばかりしている。
「別れよう。どうせ遠距離恋愛。一生、会うこともできないし」
「そんなこと言うなら、『大好き』って書いた星つぶてを宇宙に打ち上げてやるんだから!」
「回収するの地味に大変だからやめてよ!」
今年も空に大量の星が流れるだろう。
これじゃ今日の予定が台無しじゃないか――そう思いながら彼女にメールを送る。返事は電話で返ってきた。
「ふたご座流星群、外で一緒に観測する約束でしょう?」
火星に住んでいる彼女はいつもぐらぐら燃えている。僕の故郷は冥王星。平均気温マイナス225℃。ものの見方、考え方――たぶん遺伝子レベルで異なっている。正反対な性格を楽しめたのは最初だけ。最近は喧嘩ばかりしている。
「別れよう。どうせ遠距離恋愛。一生、会うこともできないし」
「そんなこと言うなら、『大好き』って書いた星つぶてを宇宙に打ち上げてやるんだから!」
「回収するの地味に大変だからやめてよ!」
今年も空に大量の星が流れるだろう。
SF
公開:25/12/14 09:48
☆やコメントありがとうございます✨
作品のイラストはibisPaintを使っています。
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いちいおと