カウントダウン日記

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夜開け前が一番暗いらしい。そう言われても苦しいものは苦しいし、見たくないものは見たくないし、逃げられるならどこまでも逃げたい。なかには早々に覚悟を決め、真っ向勝負を挑む人間もいるが、わたしはまだ人間として未熟なようで、嵐が過ぎるのをただじっと待っている。
ふと開いた日記帳。毎日コツコツ手書きして五年経った。なにげなく始めたカウントダウンでは、現在のわたしが夢を叶えたことになっている。なのに実際は挫折してくすぶり、挙句に誰とも関わらず殻にとじこもることを選んだ。なんてひどいありさまだと嘆いている。もっと言えば、嘆くことさえ愚かだと思っている。
考えようによっては、光の見えない現在も悪くないのだと思うことにした。明かりなら作ればいい。心の底に熱が残されている限り、夢には何度でも燃料を投入することができるのだ。
わたしは買ったばかりのノートを手に取り、新しい日記に希望を綴った。
その他
公開:25/12/14 06:00

いちいおと( japan )

☆やコメントありがとうございます✨

作品のイラストはibisPaintを使っています。

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