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封筒には差出人の名前がなかった。
ただ、白い紙に黒い文字で来年のカレンダー在中とだけ書かれている。
何気なく壁に掛けてみて、祝日の名前に違和感があり奇妙だと気づいた。どれも見知らぬ名称ばかりだった。
一月七日「忘却記念日」、三月十九日「選ばなかった道の日」、九月二日「まだ起きていない奇跡」。
一月七日、毎朝会っていた駅前のパン屋のおやじさんは、私を知らないと言う。長年積み重ねて来た二人の会話の記憶が消えてしまっている。
三月十九日、入社試験で一度落ちたはずの会社から、追加合格の通知書が届いた。何だこれは正しく青天の霹靂だ。
九月二日、交番から貴方の失くしてた財布が見つかりましたと電話があった。とっくに諦めていたのに奇跡だ。
そして大晦日、除夜の鐘と同時にカレンダーがめくれ、裏に一文が現れた。
来年のカレンダーは、あなたが送る番です。机には白紙のカレンダー用紙。私は最初の祝日を書き始めた。
ただ、白い紙に黒い文字で来年のカレンダー在中とだけ書かれている。
何気なく壁に掛けてみて、祝日の名前に違和感があり奇妙だと気づいた。どれも見知らぬ名称ばかりだった。
一月七日「忘却記念日」、三月十九日「選ばなかった道の日」、九月二日「まだ起きていない奇跡」。
一月七日、毎朝会っていた駅前のパン屋のおやじさんは、私を知らないと言う。長年積み重ねて来た二人の会話の記憶が消えてしまっている。
三月十九日、入社試験で一度落ちたはずの会社から、追加合格の通知書が届いた。何だこれは正しく青天の霹靂だ。
九月二日、交番から貴方の失くしてた財布が見つかりましたと電話があった。とっくに諦めていたのに奇跡だ。
そして大晦日、除夜の鐘と同時にカレンダーがめくれ、裏に一文が現れた。
来年のカレンダーは、あなたが送る番です。机には白紙のカレンダー用紙。私は最初の祝日を書き始めた。
ミステリー・推理
公開:25/12/13 14:05
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gonsuke