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ずっと憧れていたアキくんに告白した。打ち明けるまで何か月も悩んだのに彼は即答した。
「いいよ」
世の中に存在する『いいよ』には2パターンある。イエスorノーだ。わたしは息をのんでたずねた。
「恋人になってくれるということ?」
「うん」ただし、と彼は言葉をつづける。「秘密を共有してくれるならね」
「秘密って?」
「よく見てて」
彼はいつのまにか右手にスプーン、左手にお皿を持っていた。右手をおもむろに伸ばし、夕焼けにまみれた太陽をすくう。お皿には、紅いゼリーがぷるんと乗せられた。
「いま、なにをしたの?」
「僕の種族は秋の太陽からエネルギーを摂取するんだ。この季節のものは特に絶品でね」
わたしは複雑な気持ちで前方を見据える。最近の秋が短いのは彼の一族のせいなのだと思ったら腹が立った。
「ごめん、やっぱり告白はなかったことにして」
アキくんは「いいよ」と笑って、ゼリーをおいしそうに頬張った。
「いいよ」
世の中に存在する『いいよ』には2パターンある。イエスorノーだ。わたしは息をのんでたずねた。
「恋人になってくれるということ?」
「うん」ただし、と彼は言葉をつづける。「秘密を共有してくれるならね」
「秘密って?」
「よく見てて」
彼はいつのまにか右手にスプーン、左手にお皿を持っていた。右手をおもむろに伸ばし、夕焼けにまみれた太陽をすくう。お皿には、紅いゼリーがぷるんと乗せられた。
「いま、なにをしたの?」
「僕の種族は秋の太陽からエネルギーを摂取するんだ。この季節のものは特に絶品でね」
わたしは複雑な気持ちで前方を見据える。最近の秋が短いのは彼の一族のせいなのだと思ったら腹が立った。
「ごめん、やっぱり告白はなかったことにして」
アキくんは「いいよ」と笑って、ゼリーをおいしそうに頬張った。
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公開:25/12/08 20:05
☆やコメントありがとうございます✨
作品のイラストはibisPaintを使っています。
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いちいおと