前髪カーテン

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 前髪は、世界を遮るためのカーテンだ。
 世界がこんなにも輝いていては仕方ないだろう。
 だから今日も、そっとカーテンを閉じる。
 でも、彼女のことは無意識に目で追ってしまう。
 その度に目を焼かれ、悶え、机に伏す。
 最近、彼女と目があっているような錯覚するようになった。
 そうだ。錯覚だ。勘違いしてはいけない。
 そう言い聞かせ、いつも通り机に伏せる。
 少しして、頭上から声が降ってきた。
「もしも〜し。起きてる〜?」
 覇気はないが凛と澄んだ声。隣の席の……。
 気乗りはしなかったが、僕はゆっくりと顔を上げた。
 瞬間、するりと僕のおでこに何かが潜り込んだ。冷たくて細くて……手だ。
 気づいた時には、僕のカーテンは勢いよく開かれていた。
「あ。やっぱり。いつぞやは助けてくれてありがとね〜。隣の席なのに気づかなかったや」
 これが僕の学校生活をおびやかす波乱の幕開けとなった。
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公開:25/12/07 22:22

猫目ちゅん

のんびり屋さんです。よろしくお願いします。日常を書くのが好きです。ファンタジーも好きです。思いついたものならなんでも好きかもしれません。たまにタイトル裏のイラストも描きます。

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