入星管理局にて

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 東京の入星管理局でフィディアス星人があろうことか、在来線のハイジャック容疑で取り調べを受けていた。

「何故君は、色んな意味でこのような愚かなことをしたのだね」

 入星管理局員が困惑した顔つきで問いただした。

「ええっと、ガイド本で地球ではジュウ?という鉄の塊を見せれば、どんな公共高速輸送機でもタダで乗れると書いてあったので」

 フィディアス星人は悪びれもせずに言った。

「…色んな意味でとんだトンデモ本を掴まされたみたいだね。まぁ君に悪気がないのは分かったけど、残念ながら刑務所行きだ」

「ええっ!? ケームショに連れていってくれるんですか? そりゃ嬉しいなぁ! 観光ガイドに限られた者しか入ることが許されないレアスポットとして紹介されているんです。それに僕、ニホンのパトカーってクルマのデザイン大好きなんですよ!」

 フィディアス星人は興奮気味に言った。
SF
公開:25/12/11 19:39
更新:25/12/11 20:57

ウルス・ミシカ

小説を書く熊です。
 

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