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こんな日に限って、寒さで愛車のバッテリーが上がり動かない。日時予約を入れている重要検査なので遅れるのはまずい。私は仕方なく自転車で病院へ向かう事にした。凍える風に顔を刺されながら走っていると、突然、道端の電柱が、そんなに急ぐなら手伝おうかと低い声で話しかけてきた。
驚きつつも示された細道に入ると、世界は薄い霧に包まれ、淡い光が足元から立ちのぼった。やがて自転車は地面を離れ、ふわりと空中を滑るように進み出す。風は冷たいはずなのに、どこか春先の陽気のような温もりさえ感じられる。
不安と期待が入り混じる中、霧がゆっくり晴れると、そこには病院の裏庭がぽつんと現れた。
時計を見ると予約時間の数分前。胸を撫で下ろし、振り返ってお礼を言おうとしたが、電柱も霧も跡形もなく、ただ冬の朝日が静かに街を照らしていた。
驚きつつも示された細道に入ると、世界は薄い霧に包まれ、淡い光が足元から立ちのぼった。やがて自転車は地面を離れ、ふわりと空中を滑るように進み出す。風は冷たいはずなのに、どこか春先の陽気のような温もりさえ感じられる。
不安と期待が入り混じる中、霧がゆっくり晴れると、そこには病院の裏庭がぽつんと現れた。
時計を見ると予約時間の数分前。胸を撫で下ろし、振り返ってお礼を言おうとしたが、電柱も霧も跡形もなく、ただ冬の朝日が静かに街を照らしていた。
ファンタジー
公開:25/12/09 23:59
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gonsuke