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朝が来た。
男は玄関で妻に言った。
「いま。」
妻も言葉を返す。
「いら。」
男は会社へと向かった。
男は会社に着くと、同僚に挨拶をした。
「お。」
同僚も言葉を返す。
「お。」
そこに、上司が来た。男は上司に挨拶をした。
「おす。」
上司も言葉を返す。
「お。さくのしはで?」
男は、昨日頼まれたできたばかりの資料を上司に渡した。
昼休み。
「こんちはー!」
テレビ番組の司会者の元気な挨拶が、食堂に響き渡った。
夜が来た。
男は仕事を終え、帰宅した。
「ただ。」
「おか。」
いつも通りの会話だ。
男は食事をしながら、テレビを見ていた。
討論番組がやっていた。
その討論番組の中では、ずいぶん古風な言葉遣いをする、おしゃべりな中年男が喋っていた。
「近頃は、世の中の言葉が乱れている。なんでもかんでも、言葉を略し過ぎだ。朝の挨拶は『お。』じゃなくて『おはよう。』だ!」
男は玄関で妻に言った。
「いま。」
妻も言葉を返す。
「いら。」
男は会社へと向かった。
男は会社に着くと、同僚に挨拶をした。
「お。」
同僚も言葉を返す。
「お。」
そこに、上司が来た。男は上司に挨拶をした。
「おす。」
上司も言葉を返す。
「お。さくのしはで?」
男は、昨日頼まれたできたばかりの資料を上司に渡した。
昼休み。
「こんちはー!」
テレビ番組の司会者の元気な挨拶が、食堂に響き渡った。
夜が来た。
男は仕事を終え、帰宅した。
「ただ。」
「おか。」
いつも通りの会話だ。
男は食事をしながら、テレビを見ていた。
討論番組がやっていた。
その討論番組の中では、ずいぶん古風な言葉遣いをする、おしゃべりな中年男が喋っていた。
「近頃は、世の中の言葉が乱れている。なんでもかんでも、言葉を略し過ぎだ。朝の挨拶は『お。』じゃなくて『おはよう。』だ!」
その他
公開:25/12/04 13:26
更新:25/12/04 19:07
更新:25/12/04 19:07
加賀美 秋彦と申します。
学生時代からのショートショート好きが高じて、2025年4月から自分でも書き始めました。
幅広く色々なジャンルの作品を書いていきたいと思っております。
よろしくお願いします。
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加賀美 秋彦