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 クリスマス。
 今年からこの仕事に就いたばかりの僕にとって、目が回るほど忙しい日だ。
 「おい! 新入り。Aー1659エリアの木馬のおもちゃ持ってこい。急げよ。あと3分で着くからな」
 「は、はい…」
 あと3分か…間に合うかな。
 なんせこの中は、広いから。
 乗り込むと同時に移動ロケットが発射した。体にかかるGは僕の体を圧し潰す勢いだ。
 指示されたエリアには、約1分で着いた。
 木馬を抱え、再びロケットに乗り込む。
 戻った時には、僕はもうクタクタだ。
 「よし、時間通りだ。じいさんに渡しな」
 「は、はい」
 僕は重い足で梯子を上る。
 すると、天井が開き優しい顔のおじいさんが顔を覗かせた。
 僕が、彼に木馬を渡すと、木馬は徐々に大きくなっていく。
 そして、サンタから子供に渡されるんだ。
 「お疲れ様」
 サンタから労いの言葉を貰う。
 これが僕たち袋の中で働く小人の仕事だ。
ファンタジー
公開:25/12/02 17:26

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