誘拐犯からのおかしな要求

僕は今、娘と公園に来ている。娘から目を離さないよう気をつける。
なにせ僕の娘はよく誘拐される。多分それは娘のイタズラだ。
だって誘拐犯から要求がとてもくだらないから。
妻に愛してると言えだとか、洗面所の電球を取り換えろとか。
妻と共謀してやっているのかと思いきや、妻は何も知らないと言う。
これまで１度も不可能な要求をされた事はない。だから僕は要求に従い続ける。
そんな事を考えていると、僕の目の前で娘が消えた。
すぐさま届く、誘拐犯からの要求。卵１パック買って来い。
大急ぎで卵を１パック購入すると、娘は公園で僕を待っていた。
思わず娘を抱きしめる。一体どこに行っていたんだ！？
娘はずっと僕と一緒にいたと言う。その僕は今の僕より老けていたと言う。
…そろそろ帰ろうか。早く帰らないと、タイムマシンを作っている妻に「これが完成したらすぐにあなたとの結婚をなかった事にしてやる！」と怒鳴られてしまう。