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会社の人間を観察していると、よくもこんな狭いところに多種多様な人間が集まったものだと感心する。協力を求めているのに合わせない人、こそこそサボる人、上役の機嫌を取ることしか考えていない人ーーこうした傾向のある者は問題が起きた時、他責に向かうことが多い。反対に、合わせ過ぎて疲れている人、全力疾走が定期の人、他者の顔色ばかりうかがっている人は、自責に向かうことが多いようだと私は分析している。しかしどちらが正しくどちらが誤っているかに答えを導き出すことは困難だ。そう考えている私の前に、まさにその両極端な人間が2人並んでいる。
「⋯⋯人間は忖度する生き物だが君は人間じゃない、ロボットだ。だからこそ聞きたい。どちらが社長に向いてると思う?」
他責の社長と自責の社長⋯⋯メリットデメリットを演算できなくはないが、人間に近い感情を埋め込まれた私には優柔不断という欠陥がある。故障を装い、スリープした。
「⋯⋯人間は忖度する生き物だが君は人間じゃない、ロボットだ。だからこそ聞きたい。どちらが社長に向いてると思う?」
他責の社長と自責の社長⋯⋯メリットデメリットを演算できなくはないが、人間に近い感情を埋め込まれた私には優柔不断という欠陥がある。故障を装い、スリープした。
ファンタジー
公開:25/12/06 09:35
☆やコメントありがとうございます✨
作品のイラストはibisPaintを使っています。
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いちいおと