空の信号機

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 空の信号機が『赤』になった。
 と、最初に言ったのは確かニュースキャスターだった。
 突如、地球の雲が渋滞を起こし始めたのだ。
 豪雨が続き、頻繁に落雷が起き、猛吹雪に発展する時さえあった。
 あっという間に地球の半分は海になった。
 時同じくして、反対側では太陽が猛威をふるった。
 湖が干上がり、川はただの溝となり果て、地面はひび割れた。
 瞬く間に地球の半分は砂漠と化した。
 未曾有の災害に人類は全てを諦めた……かに思えたが、次第にそれを利用し始めた。
 世界の叡智を結集し、あらゆるものをエネルギーに変えた。雨を、雷を、太陽を、熱を。
 そして、人類は超巨大電磁砲を作り上げた。
 地球上の全てのエネルギーを空へと向かって放った。
 打ち出されたエネルギーは、不自然に『何か』にぶつかり大爆発を起こした。
 世界を覆っていた雲は、霧散した。

 こうして人類は、日常を取り戻した。
SF
公開:25/12/05 22:25
更新:25/12/05 22:16

猫目ちゅん

のんびり屋さんです。よろしくお願いします。日常を書くのが好きです。ファンタジーも好きです。思いついたものならなんでも好きかもしれません。たまにタイトル裏のイラストを描いていたり、いなかったりします。

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