ガラスの壁の向こうがわ

1
2

青い空にぷかぷか、今日も雲が浮かんでる。
誰かがさけんだ。
「肉まん!!」

雲が肉まんになり、降ってくる。

じゃあ私は大福にしようかな。
「大福!!」
幸せの粒が降ってきた。

そんな幸せのある日、私は道の向こうまで歩いて行った。すると、誰かの背中が見えた。座っている。
私が走っていくと、ドン!と何かにぶつかった。
よく見ると、薄い、ガラスの壁があった。
壁の向こうの、誰か、が振り返った。私と同じくらいの、痩せた子だった。
雲、は…と、上を見ると、ガラスの壁にぶつかって跳ね返されてた。
その子がガラスに手のひらをつけた。私も、手のひらを重ねた。
私のふっくらした手のひらと、その子の痩せた手のひら、指先…

「いつか…」

私は叫んだ。

「いつかこの壁を壊して雲を届けに行くね!」

“心”が伝わったのか、その子は力なくも微笑んでくれた。

その子の顔が歪んで見えたのは、涙のせい…。
その他
公開:25/11/30 13:10

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容