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俺は、ひどく怯えている。
明日は、12月1日だからだ。
俺の家の長男は、12月1日に死ぬのだ。
俺の父も祖父も、12月1日に出かけたきり、生きて戻ることはなかった。
だから俺は、毎年12月1日になると、どこへも出掛けず、家でただひたすらに、一日が過ぎるのを待つ。

11月30日
20時
自宅で、気を紛らわすために酒を飲む。

21時
さらに酒を飲む。

22時
突然、部屋の明かりが消えた。
どうやら、停電のようだ。

23時
再び、部屋の明かりが点いた。
なんだか、酔いがさめてしまった。
近所のコンビニで、酒を買ってこよう。

12月1日
マンションの一室に、警察官が集まっていた。

「被害者は12月1日0時頃、自宅マンション5階の共用廊下の手すりを乗り越えて落下し死亡。死亡時は、泥酔状態であったと思われます。」

「それから、被害者の部屋のデジタル時計が、1時間ほど遅れていたそうです。」
ホラー
公開:25/11/30 20:00

加賀美 秋彦

加賀美 秋彦と申します。
学生時代からのショートショート好きが高じて、2025年4月から自分でも書き始めました。
幅広く色々なジャンルの作品を書いていきたいと思っております。
よろしくお願いします。
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