わたしだけのサンタクロース

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男の子に生まれたかった
そう思ったことは
一度もなかった

わたしのまわりの女の子はちがうようで
男の子に生まれたかった
と考えている子がたくさんいる

わたしが男の子に生まれたかった
と思ったことがないのは
男の子の、あの野蛮な感じが
あんまり好きになれないから

おとうさんは別だ
おとうさんは好きだ
おとうさんは
男の子
ではないけれど

友だちは絵本だった
よく読んだ絵本には
サンタクロースが出てきた

サンタクロースが
おとうさんだと知ったときは
とてもつらくなった

お仕事もして、それとはべつに
たくさんの子たちに
プレゼントを配りに行かないといけないなんて
そんなのかわいそう、たくさん疲れちゃう
だから、つらかった

あとあと、おとうさんは
わたしだけのサンタクロースなんだと知って
安心した

おとうさんのこと
好きなんだときちんと理解したのは
そのときだった







.
その他
公開:25/12/02 03:48

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