ようかい?お嬢さま

6
4

 バスを待つ、セーラー服の少女たち。
 暇を持て余した二人は、即興のゲームをすることにした。
 まずは色をひとつ決める。その色の車が何台通り過ぎたかを競う。
「あたし青で!」
 スポーツが得意そうな少女はそう言い、
「……赤」
 読書が好きそうな少女はつぶやいた。
 青、青、青、赤。
 元気な彼女はニヤリと笑い、シャイな彼女は睨みをきかした。
 次の車は何色だ?
 集中していく二人。視界が狭くなっていく。世界が暗くなっていく。
 すると、視界の端がピカピカと光り始めた。そして今ーー
ーー燃え上がる赤い車輪が『三体』過ぎ去った。中央には達磨みたいな顔があった。
 妖怪、輪入道だった。
「……私の勝ちね」
「いやいや! それどころじゃ……っていうか何アレ!? イミワカンナイ!! ノーカンでしょ!?」
「……負け惜しみは格好悪いわよ」
 お嬢は本当に負けず嫌いだ。気軽に私たちを呼ばんでください。
ファンタジー
公開:25/12/01 22:00

猫目ちゅん

のんびり屋さんです。よろしくお願いします。日常を書くのが好きです。ファンタジーも好きです。思いついたものならなんでも好きかもしれません。たまにタイトル裏のイラストも描きます。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容