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俺は夜のランニングが日課になっている。伴走者ができたのは1週間前。寺の角を曲がった当たりで合流してくる名前の知らない男は、今夜も姿を現した。
「こんばんは、また会いましたね」と、妙に明るく話しかけてきた男に、俺は適度に愛想よく応じる。
「そうですね。雪の予報出てましたけど、まぬがれましたね」
「雪、嫌いですか?」
「いや別に。好きとか嫌いとか考えたことないです」
「じゃあくもりは?」
「同じですよ。ちなみに晴れてても別になんとも思わないです」
「晴れていたら、走るのなんて最高なんですけどねぇ」
「人の感覚なんて、それぞれですよ」と答えながら、そう言えば遥か昔は爽快感を味わっていたような記憶がよみがえった。いったいいつから無感動になったのだろう。
「生まれ変わったら、また気持ち良く走れますかね?」
俺がたずねると、男は「もちろんです」とほほ笑み、呪文のようなものを静かに唱えた。
「こんばんは、また会いましたね」と、妙に明るく話しかけてきた男に、俺は適度に愛想よく応じる。
「そうですね。雪の予報出てましたけど、まぬがれましたね」
「雪、嫌いですか?」
「いや別に。好きとか嫌いとか考えたことないです」
「じゃあくもりは?」
「同じですよ。ちなみに晴れてても別になんとも思わないです」
「晴れていたら、走るのなんて最高なんですけどねぇ」
「人の感覚なんて、それぞれですよ」と答えながら、そう言えば遥か昔は爽快感を味わっていたような記憶がよみがえった。いったいいつから無感動になったのだろう。
「生まれ変わったら、また気持ち良く走れますかね?」
俺がたずねると、男は「もちろんです」とほほ笑み、呪文のようなものを静かに唱えた。
ホラー
公開:25/12/01 12:03
更新:25/12/01 12:14
更新:25/12/01 12:14
☆やコメントありがとうございます✨
作品のイラストはibisPaintを使っています。
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いちいおと