オンポタ始めました

急に訪ねてきた冬と闘うことに疲れていた。寒い。今年初の温かい飲み物デビューをしたい。自動販売機の前で立ち止まり、HOT表示の飲み物を吟味しようとしたら、『オンポタ始めました』という貼り紙に気づいた。
コンポタならわかる。コーンポタージュの略だ。オンポタは初見である。ワンコインという魅力に負け、急いで投じた百円。間もなく中央のモニターに機械内部の動作が映し出された。
スポットライトを浴びて浮かび上がったのは2人の小人だ。1人はカゴいっぱいのトウモロコシの粒を鍋に移し、もう1人は大きな木べらを構えている。モニター横のスピーカーからは、コトコトポタポタという美味しそうな音が流れ始めた。
音楽付きのポタージュのことだったのかとわくわくしながら30秒のカウントダウンが終わるのを待ったけれど、最後は暗転して終了した。満たしきれなかった温かさは、コーンポタージュで補った。