読書が楽しみになるバスタイム

ここのところ忙しくて本をあまり読めていない。読んでいない本で本棚がいっぱいだ。
そんな本棚から１冊抜き取る。それをラジカセのような機械に入れ再生を押す。本の朗読が始まった。
朗読の声に耳を傾けながら、私はお風呂に浸かる。
以前はお風呂場に本を持ち込んでは入浴中にそれを読もうとした。
しかし、お湯の温かさにうつらうつらと舟をこぎ、湯船に本を落としてしまう事、数十回。
ページが上手くめくれないばかりか、湿気でぶよぶよになる本にため息を吐いた回数は数えきれない。
だから思い切ってカセットブックレコーダー（防水）を購入した。
カブレコのおかげで私はお風呂の時間がより好きになった。ついつい長風呂をしては全身の疲れを湯に溶かしたものだ。実にいい気聞（きぶん）である。
お風呂から上がる。カブレコから本を取り出すと枕元に置いた。
朗読の続きは布団の中で、瞼という名の緞帳が下りるまで楽しむとしよう。