若者の消えた城塞 ― 魔導碑の村

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私は徒弟として城塞に迎え入れられた。
広間には灰色の鎧をまとった老騎士ばかり、若き者の影はない。
石壁から冷たい風が這い込み、鉄と古い血の匂いが空気を満たす。

昼餉の席で彼らは「昔はこうだった」と呪文のように繰り返す。
師は「自ら学べ」と告げ、黒い羽根を広げ霧に消えた。

夜、魔導碑に血のように滲む文字を見つけた。
「若者はここに来てはならぬ」「残る者は掟に従え」
翌朝、徒弟の名は石板から消えていた。

恐怖と怒りを胸に、私は「未来」と刻む。
光が差し、笑い声が響くも、文字は歪み「消えろ」と変わった。
城塞は魔導碑となり、若者の影を拒む呪われた村。
私の足跡も名も、永遠に石に呑まれた。
ホラー
公開:25/12/23 17:45
更新:26/01/18 07:15

問い屋

その違和感を、
まだ持ったままの人へ。
問いの続きを、ここにまとめています。

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