ガラスの森の住人たち

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ガラスの森は、踏み出すたびに星屑のような光を跳ね返し、二人の影を鋭く切り取った。
「派手な歓迎だな。割れないでいてくれよ」彼が軽口を叩く。
「心配? あなたにしては珍しいわね」彼女が艶やかに笑う。
「まさか。危険はスパイスだって言ったろ?」
掛け合いはクリスタルに反響し、ビートのように森を満たす。
「この奥に“住人”たちがいるんだろ?」
「ええ。願いを叶えるって噂の、得体の知れない連中」
「なら、会って確かめるだけだ」
光が渦を巻き、森が二人を飲み込む。静かで派手な世界の奥で、次の物語が脈打ち始めていた。
ファンタジー
公開:25/11/28 14:00

森康雄( 千葉 )

短い物語の中に、小さな驚きと余韻をそっと閉じ込めています。
読んでくださる方に、“たのしい違和感”を届けられたら嬉しいです。
よろしくお願いします。

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