クリスマス優待券

4
4

『クリスマス優待券』
クリスマスの一ヶ月前、ウチの郵便受けにそんな券が入っていた。

クリスマス当日。
券に書かれた会場に着くと、俺以外は誰もいなかった。

すると突然、眩いライトが俺を照らし、思わず目を閉じた。

目を開けると、そこは子供の頃の俺の部屋だった。

俺は部屋を出て、リビングへ向かった。
妙に広く大きいリビングには、若い母と父。
ツリーの下には、白いリボンの赤い箱があった。

「クリスマスプレゼントだ!」

俺は夢中で駆け出した。

箱の中身は、子供の頃に欲しかったゲームソフトだった。

俺は飛び跳ねて喜んだ。

すると、再び視界が光に包まれた。

目を開けると、そこは元の会場だった。
俺の側にはスーツ姿の老紳士がいた。

「遅くなって、すまなかったね。」

老紳士はそう言うと、白いリボンの赤い箱を俺に手渡した。

俺はそれを受け取り、言った。

「ありがとう。サンタさん。」
ファンタジー
公開:25/11/24 12:41
更新:25/11/24 22:37

加賀美 秋彦

加賀美 秋彦と申します。
学生時代からのショートショート好きが高じて、2025年4月から自分でも書き始めました。
SF作品を書く事が多いですが、幅広く色々なジャンルの作品を書いていきたいと思っております。
よろしくお願い致します。
note

https://note.com/a_kagami

X(Twitter)

https://x.com/kagami_short2?s=21

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容