幽体離脱

幽体離脱の練習をしていたら、自由に幽体離脱ができるようになった。
毎日夜になると夜空を飛び回って遊び、気が済むと家に帰っていた。

ある夜、空を飛んでいると同じように飛んでいる人間に会った。
空で人に会うのは初めてだったのでうれしくて声をかけると、向こうもうれしそうだった。

しばらく一緒に飛んでいたが、そいつがもっと上に行こうと言い出した。
どんどん上に上がって行く。
こわくなって帰ると言うと、腕を掴まれて更に上に引っ張ろうとする。
慌てて手を振り払った瞬間、ものすごい勢いで下に引っ張られた。

気がつくと自分の体に戻っていた。
動悸がひどく体は冷たくなり、冷や汗がだらだら流れていた。