心のレンタルスペース

私の彼は心が広い。それを利用して、心のレンタルスペースを始めた。
私も利用した事がある。忙しさで心の余裕をなくしかけていた私。
彼に忙しい気持ちを預けると心に余裕が生まれ、楽になった。忙しい事には変わりないが心に余裕がある事で視野も広くなり、思いのほか早くに忙しさが解消された。
彼の心のレンタルスペースは大盛況となった。多くの人が彼に色々な気持ちを預けていく。
そんなに預かって大丈夫か？彼、心が狭くなったりしないか？
そんな私の不安を彼は笑い飛ばす。
「君への深い愛情は僕ら二人だけのものだ」と別腹感覚で言われた。まさか横だけではなく縦にも心が広いとは…
聞けば縦の上の心には私への愛情を、縦の下の心には彼の他人に触れられたくない感情の暗い部分が詰まっているらしい。
上はまだしも、下の心は表面に出てこないよう、大きな蓋をしているという。
その蓋の表面こそが横の心、広い心と呼ばれる場所だそうだ。