明令時代

明治と令和が同時に流れる奇妙な時代。蒸気機関車の白煙が高層ビルの谷間を抜け、袴姿の書生は最新式スマートフォンを覗き込む。役所では羽織の役人とスーツ姿の職員が同じ机を囲み、筆とキーボードを響かせながら果てしない書類と格闘していた。
この混沌と調和が同居する世界で、令和の高校生Rは時代の狭間から迷い込んだ明治の発明家Mと出会う。未来の機械に震えるMは理を求めて瞳を燃やし、Rと協力して蒸気仕掛けの装置と電子回路を融合させた通信機を完成させる。

装置は瞬く間に広まり、過去と未来の価値観を結び直し、この世界に静かな革新をもたらしていく。やがて人々は時代の違いを恐れるよりも学び合うようになり、街には新旧の文化が重なり合う豊かな気風が生まれた。
RとMは装置の改良を続け、互いの時代に潜む知恵を交換しながら、新たな発想が次々と芽吹いていった。
こうして二人の挑戦は、時代を越える希望となった。。