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ふだんは平日休みだが、娘との心の距離がどんどん広がっていくのを阻止したくて、土曜日に休暇を取った。
「よし娘ちゃん! 今日は行きたいところにぜんぶ連れてってやるぞー!」
録画した歌番組を観ながら振り付けを真似していた娘は冷めた目でおれを見た。
「たとえばどこに?」
「えぇと⋯⋯公園?」
「小3の女が父親と?」
「い、行かないのか!?」
娘は録画の視聴を止め、大げさなため息を落とした。
「わたしのこといつまで赤ちゃんだと思ってるの? 小3の女は父親と公園に行ったりしないよ」
「じゃあ洋服を買いに行くか?」
「お金くれればお母さんと行ってもいいけどね」
「そんな⋯⋯」
うつ向くおれが気の毒だと思ったらしく、娘はおもむろにシール帳を開いた。
「かわいそうだからこれあげる。1枚しかない貴重なヤツだよ」
そう言いながら腕に貼ってくれたシールは、昨晩の刺身パックに付いていた半額シールだった。
「よし娘ちゃん! 今日は行きたいところにぜんぶ連れてってやるぞー!」
録画した歌番組を観ながら振り付けを真似していた娘は冷めた目でおれを見た。
「たとえばどこに?」
「えぇと⋯⋯公園?」
「小3の女が父親と?」
「い、行かないのか!?」
娘は録画の視聴を止め、大げさなため息を落とした。
「わたしのこといつまで赤ちゃんだと思ってるの? 小3の女は父親と公園に行ったりしないよ」
「じゃあ洋服を買いに行くか?」
「お金くれればお母さんと行ってもいいけどね」
「そんな⋯⋯」
うつ向くおれが気の毒だと思ったらしく、娘はおもむろにシール帳を開いた。
「かわいそうだからこれあげる。1枚しかない貴重なヤツだよ」
そう言いながら腕に貼ってくれたシールは、昨晩の刺身パックに付いていた半額シールだった。
その他
公開:25/11/19 09:31
☆やコメントありがとうございます✨
作品のイラストはibisPaintを使っています。
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いちいおと