クリスマスイブ危機一髪! こんなツリーはイヤだ

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12月24日、普通に働き、家へ戻った。そこからが普通じゃなかった。自室のクリスマスツリーがしゃべった。
「キミを愛してる」
ツリーが!? 驚きで声を失っていると、ツリーは枝を震わせ、
「だがキミは、今夜もアイツを待っているんだろう?」と伏し目がちに言う。思い当たる節がなく戸惑っていると、ツリーは急に笑い出し、淡々と続けた。
「残念だな。アイツは来ない。私が処理しておいた」
処理? の意味を考える暇もなく、ツリーはおもむろに鉢から、いわゆるひとつの赤い帽子を出して見せた。
「サンタクロース!?」
って、本当にいたのかサンタクロース!?
「キミにプレゼントを贈るのは、私だけでいい」
気障か! なにもかも間違ってる。どう逃げ出すかを考えていると、玄関ドアをぶち破ってトナカイが入ってきた。そして、ツリーを大きな白い袋に詰め込み、颯爽と去っていった。
メリークリスマス! サンタの無事を祈る。
ホラー
公開:25/11/18 23:41
更新:25/11/19 10:20

藍見サトナリ

ご覧くださってありがとうございます。
学生時代、文芸部に所属して短いお話を書いていました。あれからウン十年、仕事、家事育児に追われて自由な創作から離れていましたが、心のリハビリ(ストレッチ?)のために登録。
//日々の生活が追ってくるため、ログインが不定期になります。

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