蜘蛛の糸は誰の祈りに

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増税の夜、私は夢の中で蜘蛛の影を見た。
糸は静かに張り巡らされ、公金の流れを吸い上げる。

目覚めると、まぶたの裏に影が残った。
窓辺に朝の光が差し、鳥の声が静けさを運ぶ。
新聞には、非営利と補助金の仕組みが淡々と並んでいた。

光は静けさを運び、影は糸を太らせる。
光が影をなぞり、糸は見えなくなった。

私は問いを残す
――その糸は、誰の祈りに応えるのか。
ミステリー・推理
公開:25/11/21 17:14
更新:25/11/25 23:27

問い屋

読み終えたあと、小さな違和感が残る短編を書いています。
その余韻が続く作品は、noteにまとめています。

https://note.com/toiya_story

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