書き鍋

私が作家を始めたきっかけは書き鍋を食べ、運良くそれにあたってしまったからである。
牡蠣鍋はあたると怖いが、書き鍋はあたると嬉しい。それは作家として成功が約束されたも同然なのだから。
初めて書き鍋を食べた時の衝撃は今も覚えている。私の石頭に張り付いた牡蠣が剥がれるかのように、ポロッと脳にこびりついたアイデアが剥がれたんだ。
思いついたそれを口にすると、意外といけそうだったので作品に仕上げてみた。そしたらそれが大当たり！
まあ、完成させるまでは生みの苦しみっていうの？思い通りに書けなくて、頭痛と胃痛に悩まされた。
それに次回作も期待される。牡蠣鍋も書き鍋も、あたってしまえば一苦労さ。
だが、一生に一度くらいは書き鍋を食べる事をお勧めする。自分を試してみないか？
だからと言って、書き鍋の食べすぎには気をつけておけよ。
私の友人は毎日書き鍋を食べ続けた結果、１か月で３０本の連載が決まり死にかけた。