闇に集う魔法陣

2
1

荒れ果てた王国の夜、
街路には冷たい風が吹きすさぶ。

孤立した者は、
静かな影に呑まれてしまう。

だが、灯の精霊《灯》の家が近くにある者はまだ守られる。
風の精霊《風》が声を運び、
眼の精霊《眼》が見守り、
炎の精霊《炎》が輪を温める。

けれど、灯を絶やした者は闇に震え、
風の声を聞き違えた者は孤独に迷う。

それでも、人は薪をくべ直し、
呼び返す声を重ねる。

精霊と人々が描く模様は、
古の魔法陣となり、
落ちそうな者を支える。

「生き残るための魔法は、遠い英雄譚にはない」

集う者たちの輪こそが、
時代を越える防壁なのだ。

あなたは、誰と輪を描きますか?
ファンタジー
公開:25/11/15 20:28
ダークファンタジー

問い屋

問いを売る者です。

物語は、構造と余白で問いを設計します。
制度の隙間、感情の波形、沈黙の奥にあるもの。

わたしは、それらをすくい上げ、問いに変えます。
すべての経験は、問いを通じて物語に昇華される。

そして、物語は、あなたの中に問いを残すのです。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容