不幸ワクチン

我が国の研究者が不幸に効く薬を開発した。この薬を飲むと不幸という症状が出にくくなる。
この薬はまだ販売されていない。作るのにコストと時間がかかりすぎるからね。
だが金に糸目をつけない金持ちはこぞってこの薬を求めた。不幸ワクチンを飲んで不幸とはかけ離れた生活を始めた。
幸福で満ち足りた毎日。自分だけがこんなに幸せでいいのだろうか？そう思った金持ちは幸せのおすそ分けを決めた。
幸せを配る金持ち。その日は偶然にも１２月２５日。
これが我が国のクリスマス、ひいてはサンタクロースの始まりであった。
幸せを配り終えた金持ち。人に分け与える事でより幸せを感じてしまい、不安になってきた。
そこで金持ちは研究者に頼み、幸運に効く薬を開発した。この薬を飲むと幸福という症状が出にくくなる。
この薬を飲み、不幸になった金持ちは１２月２５日に不幸のおすそ分けを決めた。
これが我が国のブラックサンタの始まりであった。