アプローチロボット

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「パンパカパーン! これを見よ!」
放課後の体育館裏。発明好きな友人・エジコが白い布を取り払うと、そこにはわたしそっくりなロボットがたたずんでいた。
「え、なにこれ、こわい⋯⋯」
大型量販店で手に入れたらしき絶妙なチープ感の漂う制服を着ていなければ、本人でさえ鏡を見ているのではと疑うほどよく似ている。
エジコは得意げに説明した。
「これはアプローチロボットだよ♪ うじうじしていて告白できないきみに代わり、ターゲットに接近してくれる便利なロボットなんだ!」
「嫌な予感がするね?」
「だいじょうぶだいじょうぶ! ほら、さっそく向こうからきみの好きな先輩が来たようだ!」
バスケット部で鍛えたわたしのディフェンスを難なく交わしたアプローチロボットは、凄まじい速度の江戸走りで近づいていって先輩を押し倒した。以来わたしには飛脚という不本意な二つ名が付いた。
青春
公開:25/11/17 14:25
更新:25/11/17 14:30

いちいおと( japan )

☆やコメントありがとうございます✨

作品のイラストはibisPaintを使っています。

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