1
3
夢の世界のとある病院の精神科に訪れた患者の一人がこんなこと言い出しました。
「現実日記を書きはじめてから、夢と現実の区別がつかなくなって困っているんです」
お医者さんは尋ねました。
「具体的にどういった現実を見るんです?」
患者は答えました。
「そりゃ夢的な現実ですよ。美しい自然を散策したり、こじんまりとしたビストロで絶品の料理をいただいたりと、それはもう楽しい気持ちでいっぱいなのですが、勤め先で意地の悪い客や先輩にいびられたり、些細なことで上司に叱られたりしてひどく落ち込んだりとか、嫌な思いもたくさんするんです」
患者は俯きながら言い、さらに「でも」と付け加えて話を続けました。
「どちらも夢で見たものだし、現実でよく見る光景の気がするんです。近頃その境が曖昧で…。一体どちらの私が本当の私なのでしょう」
患者の問いに、お医者さんも頭を悩ませてしまいました。
「現実日記を書きはじめてから、夢と現実の区別がつかなくなって困っているんです」
お医者さんは尋ねました。
「具体的にどういった現実を見るんです?」
患者は答えました。
「そりゃ夢的な現実ですよ。美しい自然を散策したり、こじんまりとしたビストロで絶品の料理をいただいたりと、それはもう楽しい気持ちでいっぱいなのですが、勤め先で意地の悪い客や先輩にいびられたり、些細なことで上司に叱られたりしてひどく落ち込んだりとか、嫌な思いもたくさんするんです」
患者は俯きながら言い、さらに「でも」と付け加えて話を続けました。
「どちらも夢で見たものだし、現実でよく見る光景の気がするんです。近頃その境が曖昧で…。一体どちらの私が本当の私なのでしょう」
患者の問いに、お医者さんも頭を悩ませてしまいました。
ファンタジー
公開:25/11/16 21:16
更新:25/11/16 21:37
更新:25/11/16 21:37
小説を書くクマです。
ログインするとコメントを投稿できます
ウルス・ミシカ