サイコロの呼び出したもの
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サイコロを振ったら、神様が出てきた。いわゆる「神様」というビジュアルの親指ほどの小さな老人だ。
「おめでとう。百兆分の一の確率で、わたしを呼び出した」
「え、神様!? これって願いごと叶えてくれる系ですか?」
「もちろん。ただし、出目で決める」
わたしは高揚しながら、もう一度サイコロを振った。
コロコロと転がり、「1」が出た。
神様はうなずき、手帳をめくった。
「1か……、“すべてを失う”だな」
「え? 待ってください!」
「いや、ルールだ」
次の瞬間、部屋の物がすべて消え……なかった。半分くらい残っている。
困惑していると神様は言った。
「消えたのは、自分が「持っている」と思っていたものだけだ」
「ああ、それで……」部屋は賃貸だし、図書館で借りた本も残っている。あとは、記憶にも残っていない、ガラクタ……。
「まあ、しっかりやんなさい」
神様は消え、1の目のサイコロは残った。
「おめでとう。百兆分の一の確率で、わたしを呼び出した」
「え、神様!? これって願いごと叶えてくれる系ですか?」
「もちろん。ただし、出目で決める」
わたしは高揚しながら、もう一度サイコロを振った。
コロコロと転がり、「1」が出た。
神様はうなずき、手帳をめくった。
「1か……、“すべてを失う”だな」
「え? 待ってください!」
「いや、ルールだ」
次の瞬間、部屋の物がすべて消え……なかった。半分くらい残っている。
困惑していると神様は言った。
「消えたのは、自分が「持っている」と思っていたものだけだ」
「ああ、それで……」部屋は賃貸だし、図書館で借りた本も残っている。あとは、記憶にも残っていない、ガラクタ……。
「まあ、しっかりやんなさい」
神様は消え、1の目のサイコロは残った。
ファンタジー
公開:25/11/14 23:51
ご覧くださってありがとうございます。
学生時代、文芸部に所属して短いお話を書いていました。あれからウン十年、仕事、家事育児に追われて自由な創作から離れていましたが、心のリハビリ(ストレッチ?)のために登録。
//日々の生活が追ってくるため、ログインが不定期になります。
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藍見サトナリ