真っ赤な顔
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町の服屋で、売られているシャツやセーターの、腕の本数が、少しずつ増えていく。政府にも見放されたこの町の人々は、少しずつ蛸になっているのだ。かくいう僕も、そのうち吸盤がついた腕が生えてくるだろう。肌の色はもう既に真っ赤だ。まあ、これはこれで、好きなあの子と話している時、顔が赤くなるのをごまかせているから、別にいいと思っている。
SF
公開:25/11/09 21:42
短い読み物を書いています。その他の短編→ https://tomokotomariko.hatenablog.com/
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六井象