きっとヒロインになれない

王子様なんていない。
そんな当たり前のことに気が付いたのはいつだっただろうか。彼の視線の先にはふわふわな彼女の姿。私はそれを遠くで見つめている村人A。

「彼が幸せならそれでいいなんて」

そんな思考を持ち合わせていたら、きっと私はヒロインになっていると思うの。女の子はみんなお姫様なんて綺麗事はついこの間コーヒーに溶かして飲み干してしまった。

「幸せになれるかな」

私の幸せってなんだろう。
彼に好きになってもらう事？

「俺でいいじゃん」
「…俺がいいじゃんになるまで、待っててくれる？」

神様、私も誰かのヒロインになれる日はそう遠くないのかもしれません。