晴れた日に君と二人

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昔のように、話が止まらないなんてことは久しくない。
同じ空間は共にしても互いに言葉を交わさず、好きなことをする。
私はその時間が好きだった。

(あ、)

時々彼のほうを見るも視線は私が貸した本の中。少し寂しいぞと視線を送るも彼の視線がこちらに向くことはない。そんな所が好きだった。

「ねぇ」
「ん?」
「おいしいパン屋さんを見つけたの」
「それはいい、公園で食べようか」

さっきまであんなに集中していたのに、私の誘いにっすぐ乗ってくれる彼が好きだ。ずっと一緒にいたい、季節を共にしたい。彼もそう思ってくれているのだろうか。

「…結婚したい」
「僕もだよ、パンを食べたら指輪も見に行こうか」

ああ、私、本当に貴方が好きだわ!
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公開:25/05/15 15:00

A87(あやせ)

短いお話が好きです
幸せだけでは無いお話が好きです

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